現在表示しているスレッドのdatの大きさは321KBです。
ホテルに戻ったが、BOSSはまだ帰っていなかった。
相川はシャワーを浴びながら考える。
つまり自分と明神は、BOSSとじゅげむ(仮)の代理戦争をさせられてい
る訳だ。
それと、ついついカップと中身の代金まで払って持って来てしまったが
今見る見るシャンプーと湯の分量が増えまくっているこのコーヒーは、
少し苦味が過ぎる気がした。当然シャンプーの味もする。ひどいもの
だ。
相川は改めて後でコーヒーを入れ直し、シュガースティックを十二本、
ミルクを五個入れるのを決意し、また考えた。
自分はBOSSを愛し始めている。
だが、向こうはどうなのだろう?抱いた時にこぼれる言葉にどれほどの
真実が隠されているのだろう?
勿論そんな全てが嘘でも、自分は構わない。『どうでもいい』ではなく
『構わない』のだ。
惚れた弱み。多分そんな所だろう。
何故なら、彼女と出会った時の気持ちが増幅して行くだけだったから。
「気に入った仕事ってのも、不意に畳まなきゃいけない時があって、そ
れが一番しんどいなあ……」
だが、もしBOSSが付いて来なかったとしても、自分は明神との決着をつ
けたら、どこかへ旅に出よう。
もしかしたら、やり直せるのかもしれないから。
寂しさは感じなかった。何かを決めてしまえば、大体そんな感じになる
のがいつもの自分だ。
そうと決まれば、BOSSが戻ったら情報交換をし、今日はとっとと寝てし
まおう。
泡を洗い流すと相川はバスタブに湯を貯めながら座り込み、穏やかな微
笑を浮かべた。