皆で恋話製作


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■皆で恋話製作

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1 名前: no name :2009/12/18(金) 23:18:39 ID:L2pbDYHf

先の読めない(ryを立てたものです。
懲りずに新しく立てますたw

話を作るにあたって

・・・説明するまでもありませんね。先の読めn(ryと同じです。

なるべく、一人3〜5行ほどでまとめ、次の人に回してください
あと、ベタな展開ではなく、甘く切ない(笑)お話を作りましょう

それではスタート。2の人から始めてください

12 名前: no name :2009/12/19(土) 14:23:18 ID:HCZNr2Tb

フラミンゴは飛び立つ。羽を上下にひらつかせながら
良く見ると人影が、さらに目を疑わせた
「・・・・田中?」
そこに居たのは同じクラスのいつも頬を付かせている田中がいた。

こちらへ気づいたか慌ててその場から離れてく
「待て!!」
僕は逃がしはしないと咄嗟に後を追う。

13 名前: no name :2009/12/19(土) 16:54:29 ID:+bIyifOa

つくづく僕ってすごいと思う。
視力はマサイ族だし、脚力はダチョウだ。
いうまでもなく田中は僕に捕まり、詰問を受けることになった。
「なんで僕を見ていたんだ?あのフラミンゴは何だ?」
田中は長いまつげをぱさぱさ揺らしながら返した。
「・・・あたしの事覚えてない?」
・・・・・?
もしかしてコイツ、中学の時クラスにいたあの田中か?
問うと、案の定田中は頷いた。
「あたし・・・見ちゃったの。
貴方がオジサンと・・・その・・・、ホテルに入る所・・・。」
『ホテル』という単語を口にするのが恥ずかしかったのか、田中の頬は真っ赤に染まっている。
対して、僕は真っ青だ。
・・・見られていた?

14 名前: ヂョンイル :2009/12/19(土) 20:55:01 ID:jzZ2UB8z

「・・・どこのだ?」
「え・・・と・・・●○ICの・・・」これだけははっきり言っておこうと思う。そんなホテルは知らない。ましてやそんな所すら聞いた事がない。
「??・・・・しらんな。そりゃ俺じゃねぇよ。誤解だ」
「え?」田中は、一瞬喜色を表した
「・・・・・そう。あ・・・ごめんね。変な事言っちゃって・・・」

15 名前: no name :2009/12/19(土) 22:33:24 ID:bJJ4eEzt

「別に、、、誤解が解けたんならいいんだ。」
冷静さを取り戻しつつ、僕は続けて訊いた。
「それより、さっきの爆発お・・・いや、何で屋上に?」
「、、、最近、相川君、放課後になったらココに来てるし、、、転校してきたばっかりで学校に馴染めないのかなって、、、ほ、ほら、中学の時、ちょっとの間だけど一緒だったし、、、」
そう言って、田中は言葉を切る。

16 名前: no name :2009/12/19(土) 23:09:00 ID:/9V/FMP9

気まずい空気が流れる中、「も、もう行くね!」そう言って田中は去って行った。
なんか初々しくていいな。僕も昔はあんな感じで女の子の前で照れたりしたことあったんだ。
それが今ではみんな結局そうゆうことしたいんでしょ?なんて考えてしまう。
そんな汚れた自分と汚してほしいと心の底では思ってるもう一人の自分。
快楽に身を委ねて何もかも忘れている時が何も考えなくて良いから心地がいいんだ。
でも、それは僕だけじゃないはずだ。
寂しさをひと時の快楽で埋めるのは大人もそうでしょ?少し早く大人になっただけなんだ。

17 名前: no name :2009/12/20(日) 02:01:34 ID:Eppvk1Oq

チャイムが鳴る。

僕はそう言い聞かせながら
冷え込む廊下を見渡し自分の教室へ戻ることにした
「確か3階だっけ。」
悲しさと虚しさがこみ上げてくる中、僕は早足で向かうことにした。

18 名前: no name :2009/12/20(日) 16:00:22 ID:bA529U5U

教室へ行ったが誰もいなかった。
放課後の殺風景な教室。さっき抱いた感情がさらに膨らんだ。

「相川君?」
振り返ると、田中が立っていた。
「あれ?先に帰ったんじゃなかったのか?」
「そのつもりだったんだけど、忘れ物しちゃって。」

19 名前: ヂョンイル :2009/12/20(日) 17:25:28 ID:EHOw6VLa

「ああ、これか・・・」教壇の上に、可愛い筆箱が1つ。僕は、それを手に取り、田中に手渡した。
「あ・・・ありがと・・・相川kきゃっ!!」それを受け取ろうとした田中がつまずく。いつの間にか田中は、僕と一緒に倒れこんでいた。
「ご・・・ごめんなさい!!私ドジで・・・!!」

20 名前: no name :2009/12/20(日) 17:25:36 ID:gLP0rM/5

「・・・そっか。」
続けるべき言葉が見つからず、さっきと同じように沈黙がやってきた。
「・・・ねぇ相川君?」
それを破ったのは彼女の方だった。
「な、なに?」
少し驚いて問うと、彼女は言った。
「何かあるんだったら言ってね?
辛そうだから・・・。」
遠慮がちな声色だった。
人から、こんなにそっと思いやられた事がなかった僕は何を言っていいのかわからなくてうつむいてしまった。

21 名前: ヂョンイル :2009/12/20(日) 17:41:57 ID:EHOw6VLa

「ああ、分かった。ありがとな。俺も・・・頼りないかも知れないけど、何かあったら、助けさせてくれよな」
「・・・うん」ふわりと、田中が笑った。シャンプーのいいにおいがする。俺は、思った

可愛いな・・・・

22 名前: no name :2009/12/20(日) 19:37:40 ID:Eppvk1Oq

放課後なのだからもう学校に留まる必要はないだろう。
別に部活に所属してるわけでもないし、居残り何てのもないし。

階段を下って、玄関へ移動する。
冷気によって冷やされた下駄箱で履きなれた靴に履き替えた
外へ一歩足を踏み入れると待ち構えていたか
すっかり温まっていた僕の身体へ師走の風が一気に押し寄せてきた。
「寒っ!」
たまらず身震いする。

グラウンドでは寒さ知らずの運動部員達の掛け声が聞こえてくる、
僕はあのふんわりとしたシャンプーの匂いを思い出す。
「そういえば、部活とかやってたっけ?
まぁ明日にでも聞けばいいか。」

何なのか上昇気分で校門を出る。

23 名前: ヂョンイル :2009/12/20(日) 19:48:45 ID:EHOw6VLa

僕は、覚えている。この日の夕焼けは、鮮やかなんてものじゃない程にきれいだった
ただ単に、僕の気持ちが、夕焼けをそう認識させたのだろうか

ただいま
家に入った僕は、心の中でそう言った。うちは父母共に共働きだし、
妹もバレー部に所属しているので、帰りが遅い

さっきの気分は、もう無かった

24 名前: no name :2009/12/20(日) 22:49:07 ID:EHOw6VLa

翌日─
いつもの、原因も何か分からないメランコリーな気分で登校した
「相川・・・だったっけか?」登校中、ある男子生徒が声をかけてきた
「あぁ・・・・えっと、ごめん。名前思い出せないや」
「転校したばっかだし、しょうがないだろ。俺は斎藤智也。宜しくな」
「うん。こっちこそ・・・」正直、声をかけてくれて
嬉しかった

25 名前: no name :2009/12/21(月) 19:42:57 ID:Vr+VqHXO

「斉藤か・・健気な奴だったな」

一時限目の授業が始ってる頃、
先生の話そっち抜けで朝の出来事を思い出していた。
この数ヶ月、家族の人愚かクラスメイトとろくに話していなく
それ所か学校を転々としていたので、友達もいなかった僕。なので
朝の出来事は心底嬉しかったのだ。

席より斜め前に座る、田中の姿を見た。

26 名前: no name :2009/12/21(月) 19:51:46 ID:Uf9yPeet

ちょっと長めの栗色の髪
きらきらした、黒い、吸い込まれそうな瞳
そして、整った可愛い顔

27 名前: no name :2009/12/21(月) 20:47:19 ID:LHPezSr0

僕は自覚していなかった。
大して可愛くもない女子が急に可愛く見える、
そう、これが【恋する少年ヴィジョン】と呼ばれている状態だって事に。
つまり、僕は田中に恋していたみたいなんだ。

28 名前: no name :2009/12/22(火) 17:37:10 ID:8l8xBKeN

「なーんてな」小声でそう言った。それに田中が気づいたらしく、
「どうしたの?」と、俺に聞いてきた。
田中の事を考えてた──とか言える訳がないので
「いや・・・何でも・・・・」といっておいた。田中は、僕ににこりと笑い、再び授業をきく

29 名前: no name :2009/12/23(水) 22:58:45 ID:o3zrNMqN

事件が起きたのはその日の昼休みの事だった

30 名前: no name :2009/12/30(水) 18:52:37 ID:uB8O0YT4

「あげ」
「え?なにか言った?」
田中は僕が発した言葉に疑問を抱く。

時刻は一時00分、
田中の愛くるしい後姿を凝視し挙句の果てに寝ることに専念した授業はいつの間にやら終わり、ほのかな夢でも見ていただろう心地よい目覚め
と共に昼休みへ突入し現在の時刻に至ったわけなのだ。
そこへあろう事かたまたま近くにいた田中の耳に運良く
聞こえてしまったのだ。そして、訊いてきた。

突然の訪問に戸惑う僕は何を言おうか口ごもった。
「あっいや、そのっ何ていうか・・・ただの寝言だよ。」
可笑しかったのかふふふと笑う田中に対し僕は赤面を見せる。
さあてと、次は何を言おうと
今までになく思考回路を張り巡らせ、汗か涙かもわからない
滴が頬を潤す。

そうこうしてる内に廊下の窓際から女の人の呼び声が
その声の主は、確か田中と親しくしてる同じクラスの女子であった。
ジャストタイミング!僕は天井に感謝をあげた後
この場を逃れるべく僕は田中に別れを告げる。
「うん、また後でね。」
可愛らしい笑顔は窓際の方にそっぽ向き
その愛くるしい後姿を僕は最後まで見届けた。

はぁと冷えた手に熱を与えるかの様な溜息を虚空へ釘打ちした。

刻一刻とその時が迫る。

31 名前: no name :2009/12/31(木) 14:20:19 ID:hvRy+P74

「相川」田中と入れ違いに、担任が窓から僕に声をかけた
「はい?何すか?」担任の名前は、佐々木。佐々木は、物凄い形相でこちらを見る
「ちょっと生徒指導室へ来てくれ・・・・」
んで、生徒指導室。一体何なんだ?生徒指導室へお邪魔せざるを得ない事をした記憶なんかないんだけどなぁ
「こいつを見てくれ。どう思う?」最初はギャグかと思ったが、佐々木があせっている原因が、分かった
佐々木が持ってきたノーパソ。そのディスプレイに映るのは、M○Nのホットメールの、受信トレイ。
その最新受信メールの内容は・・・・・・

「    本日午後2時。5時限目終了時に、生徒1人を誘拐する

         阻止は不可能
           警察に通報した時点で
   この学校は爆砕する


生徒氏名
      田中 ゆり
      相川 守
               以上

       by δ」

「なっ!?」思わず声をあげた。δ(デルタ)って、何だよ

「流石に女子の田中に伝えるのはちょっとって思ったからお前に声をかけたんだ。δとか言う奴に覚えはないか?」
「ありません。僕が誘拐される理由も」
「そうか・・・・・警察に通報できないとなると、俺達にはもう成すすべが無い・・・・・」せめて、田中だけでも・・・・・・
助けたい
いきなりこんな事を伝えられて、もう僕の頭は混乱絶好調だった

「分かりました・・・・学校全員の命がなくなるんなら、僕が誘拐された方がましです」
「でも・・・・田中にはどう説明するんだ?」
「僕が了承を取ります」それは自分でも驚愕するような台詞だった

32 名前: no name :2009/12/31(木) 15:46:00 ID:OvHdKfzW

「そうか・・・・」
佐々木は何か考え込むように顔を伏せる
「お前の決心は良く分かった。田中に関してもお前に任せる
しかしな相川、こちらとて教師側の人間でな
生徒をこんな危ない目に遭わせちゃいけないんだよ。
誘惑された方がましと言ったが、決してそんな事はないんだ。」
僕は、無言のまま聞き入る。
「なーに心配するなこの件に関しては教師全面協力で
お前らをいや、この学校を守ってやるよ。
もしなお前が誘惑されそうになったら
そん時は相川、潔く誘惑されろよ。」
「おい」
思わず口に言う。
「はは、冗談だよ。」
さっきまで焦っていたくせにいつから冗談言えるようになったんだ
と思いつつ僕は壁に貼ってはる時計を見た。

33 名前: no name :2010/01/01(金) 12:31:59 ID:JIlVIH6Q

時計は……なくなっていた。
かけ直したのかと思って辺りを見回した。
……ない。
それとなく僕の中に何かが渦を巻き始める。佐々木に訊ねる。
「先生、時計って外したんですか?」
「いや、そんな事はな……」
い、と言う前に佐々木も絶句した。
「今しがたまでそこにあったよな?」
職員室の住人に等しい人間が訊ねるほどだ、佐々木も愕然としている
のである。周囲の先生方も柱を見回し、声を上げる。
「あれ?」
「誰か外した?」
「私は外してません」
「今見た所だったんだけどなあ」

……まさか、僕らの会話をどこかで盗聴していて、僕と佐々木が会話
した事でルールを変えた?
『生徒を一人誘拐する、つまり、学校から消失させる』
というルールから
『生徒で消えるのは一人だけ』
という風に―

34 名前: no name :2010/01/01(金) 13:59:43 ID:+7QXA7p/

これはヤバイ
とにかく、田中に伝えなきゃ!僕は職員室を飛び出した
「生徒1人」・・・?つまり、僕か、彼女か・・・・・・

田中は、教室にいた。さっきの友達とはもう別れたようだ
「田中。ちょっと来てくれるか?」
「ええ・・・・」
場所変わって、ここは屋上。
手すりに2人すがりながら、僕は重い口を開いた

35 名前: no name :2010/01/01(金) 15:03:12 ID:JIlVIH6Q

僕はメモを見せた。
以降は「」が僕の会話の内容で、『』がメモに記した内容だ。

「実は、俺、君に話しておきたい事があったんだよね」
『僕らの会話は盗聴されているらしい』
「え、どういう事?」
「いや、ずっと言おうとは思っていたんだけど、勇気がなくてさ」
『落ち着いて僕の話には相槌を打って、メモの内容を見て聞くれ
る?』
うなずく田中。ありがたいけどこんなに素直なのって珍しいやら
先行き不安であるやらで、こちらも自然な会話をするのに苦労しそ
うだ。
『職員室に僕か君のどちらかを誘拐するって手紙が届いたんだ』
「何それ……!」
一瞬焦ったけど、会話展開的には別に変じゃない。良かった。
僕はこれで現状を彼女に伝える事にした。

36 名前: no name :2010/01/01(金) 15:40:18 ID:JIlVIH6Q

メモの方はあらかじめ考えておいたからいいけれど、問題は田中との
雑談、というと失礼かもだけど、会話内容の方だった。先ほどポンと
『話しておきたい事があった』
とは言ったものの、僕の中で気持ちが盛り上がってしまっただけで、
それを軽々しく口にするってのも何だか軽い感じがしてとてもとても
イヤーンな感じがして先ほどから自分を客観視してる自分であるゲッ
ペルドンガーさんの視線がとても痛い。チクチクする感じって実際に
チクチク来るんだなと実感した。

メモ帳で現状は伝えたけど、話をどうまとめようかな。こういう時は
軽い奴らがうらやましい。
そう思っていると、佐々木が現れた。何だかぱっとしない男子生徒を
同伴している。
「相川、田中を呼び出して何をしてる!お前のかばんの中から、こう
いう物が見つかったんだが、詳しく聞かせてもらおうか」
そう言って、佐々木は一枚の紙切れを僕に突き付けた。僕と、何故か
田中もまじまじとそれを見てしまった。
それにはこう書かれていたからだ。

『今からお前らに盗聴器が付いてないかをチェッカーで調べる。音が
出ない奴だから、適当に話を二人とも合わせてくれ』
同伴した生徒を見ると、目で
『よろしく』
と伝えて来た……多分。

37 名前: no name :2010/01/02(土) 01:53:26 ID:Nci36nK+

屋上へ通じるドアを入る。電気のついた踊り場。なるほど、ここなら
視界はかなり遮られるから、どこからかスコープで見ていたとしても
ポジション探しに手間取るだろう。
更にドアのすぐ中は踊り場の手すりがあるから、眼下にある職員用の
駐車場が見える窓側からでは、そちら側に人がいれば誰か駆けつける
はず。

僕らはお手製と思われるスティック型のチェッカーで全身を調べられ
る。早い話が道路工事の警備員さんの持ってるあれをあちこちで振ら
れる感じ。
田中にも僕にも五十個以上の盗聴器が衣類や靴に仕掛けられていた。
それも超小型の奴だ。
『でかい音を出してその間に二人にそのそばで着替えてもらうのが
一番いいかと思いますけど、体温感知などがついていたら、犯人側に
知られてしまうかもです』
僕らは渋々頷いた。それに気付かぬ振りをして、僕らは会話した。
「気分悪いですね、こういうの」
「強がりもその辺にしておくんだな。まさかお前の様な生徒のかばん
からこんなものが見つかるなんて、お前な、先生がっかりだよ」
佐々木がそう言いながら見せる、
『話を適当に合わせてくれ。いかにも怪しいものが見つかった感じ
でよろしく』
とのメモ書きに頷く僕ら。
「心当たりありませんよ」
「しかし、物証が出てしまった。田中、お前までこれはどういうつも
りなんだ?」
「こんなの、私知りません」
「とにかく、職員室へ来てもらうからな」
僕らはそのまま職員室へしょっ引かれた。逆に今はそこが一番安全な
とこかも。入る奴も出る奴も一斉に見られるからだ。
しかし、対応策は、あるのだろうか?

38 名前: no name :2010/01/02(土) 02:19:48 ID:VQAC+YLR

マイページの視聴履歴にまったく見覚えがないのだが・・
これって不具合ですか? 誰か教えてください

39 名前: no name :2010/01/02(土) 06:56:15 ID:Nci36nK+

>>38
ここで聞くべし。
初心者質問スレ
http://bbs.nicovideo.jp/question/#f_19

40 名前: no name :2010/01/02(土) 17:20:56 ID:joaU3fjd

キーんコーンカーンコーン・・・・・
予鈴がなった。もう授業がはじまっちゃう
「とりあえず、5時間目終了時にここに来い」佐々木はそういい、僕にアイコンタクトをした
授業が始まった。どうする・・・・?まだ対応策はない
僕はこのまま、誘拐しようとする奴にはいはいとついていかなきゃいけないのか?
いや、それが田中だったらどうする?
もう気が気じゃない。授業なんざより命が惜しい
時間は刻一刻と過ぎてゆく
くそ・・・・・・授業はいつも長くて暇なのに、何でこういう時だけ早く過ぎるんだよ!!!
13時まで、あと20分
僕は、田中を見る。一瞬目が合った
「もう、しょうがないわ」とでもいってるような、不安と恐怖の顔だった

41 名前: no name :2010/01/02(土) 20:12:51 ID:ya/vwyvI

時間が過ぎるや否や、僕は自問自答を繰り返していた。

対応策がないまま授業が開始したわけなのだが
メールには五時限目終了時に生徒を一人、つまり僕か田中を誘惑すると
書いてあった。
誘惑だと?命が惜しいに決まってる。
仮にこのまま授業が終わって職員室に行ったとしても
その間に誘惑される確立が高い。早退してもその確立は高くなる。
『δ』が誰だが分からないわけだし
学校の外に『δ』が居るのは間違いないと思うが
既に校内に身を潜んでる可能性だってある。
佐々木が総力挙げて学校を守ると言っていたがそれは僕が盗聴器を
仕掛けられて随分後の事で、佐々木にメールが届いた以前から
この学校に侵入して来てる可能性だって十分にある。
それに、外の人間ではなく生徒か教師、
もしくはこのクラスの誰かがが『δ』だっていう可能性もあるのだ。
僕が学校に来る前に盗聴器というそんな物騒な物を
わざわざ付けてくる必要なんてあるわけないのだから
朝には盗聴器は付いていなかった。
という事は、盗聴器の存在に気づいた昼休み前つまり、
僕が寝ていた数時間の間に盗聴器が仕掛けられたという事になる。
やはりこの校内の誰かが『δ』という事になるのか・・・・
「ん?ちょっと待てよ」
2,3人こちらと目を合わせる。
僕は寝ていたからまだしも田中はどうなる?
彼女は学校に来てからずっと寝ていないのにどうして盗聴器が
仕掛けられていた?そんの物を付けている隙もなかったはずだ。
それに、田中がそんな物を受け入れるはずがない。
もし、そんな物を付けてくる奴が居たら
悲鳴を上げて助けを呼ぶか、右ストレートをお見舞いするか・・・
いや、そんな野蛮なことはしないか。
だとすると盗聴器を仕掛けられたのは僕が学校に来る前なのか?
寝てる間?それともずっと前から・・・・・

僕は不安と恐怖が入り混じった田中の表情を思い浮かべる。

42 名前: 英子SS :2010/01/02(土) 20:17:37 ID:8deflkV/

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43 名前: no name :2010/01/02(土) 20:22:37 ID:ya/vwyvI

>>41
誘惑じゃなく誘拐でb

44 名前: no name :2010/01/03(日) 04:11:57 ID:g96Egn0N

>>41
>>43
よし、両方取り入れてみよう。

誘惑込みの誘拐の可能性を僕は考えてみた。確かにこの学校には可愛
い子やナイスガイが多い。その子達にちょっとお願いし、僕や田中を
どこかへ誘導する事も可能だろう。
しかも二人揃って全身に100個はあろうという盗聴器のせいで、後から
如何なるルートを通って辿り着いたかもチェック出来てしまう。
次第にイライラして来たが、佐々木の助けは意外だった。
幸いにまだ警察へは連絡していないと言うし、さっきの僕らのやりとり
はかなり不自然かもしれないが、大体の事は突然に降りかかって来る
ものだ。
いじめとか、生徒会などの役員投票立候補を押し付けられるとか、やや
穏やかな所では……そう、小テストとか。
人生って、そんなものだ。

そう考えていた時、教室の戸がノックされた。
超古文という、僕らの学年から取り入れられた、早い話がサンスクリッ
ト語の授業を受け持つみちる先生(ボイン美女というのがみんなのあだ
名だ)が戸口に現れた教師と何か話していたが、やがてこちらを振り向
いて告げた。

「この中で佐々木先生を見た人はいない?職員室の机ごとどこかへ行か
れてしまったみたいなんだけど」

僕の脳天を衝撃が貫いた。それはこちらを振り向いた田中も、その表情
から察するに、きっと同じだったに違いない。

新しいルールに、とっくに変わっていたんだ。

もしかして、さっき僕らをチェックしてくれたあのぱっとしない彼も、
今頃……!

45 名前: no name :2010/01/03(日) 10:26:56 ID:g96Egn0N

僕は確認だけでもしたくなり、ノートの端に
『さっきの彼が教室にいるかどうかだけでも確かめに行こう』
と書くと、破いて田中に渡した。田中はそれを見て頷き、
「相川くん、どうやって出ようか?」
とノートに書いて訊ねて来る。
『ここは良くある手段として近い血筋の者の容態急変がいいだろう』
と提案し、更に
『僕の後に適当にアレンジして伝えるんだ』
と書くと、田中は頷いた。
「そこ、騒がしくしないで。先生はちょっと職員室で指示を仰いで
来るから、その間は自習している様に」
先生の口からこぼれたのは意外な台詞。ならば少し待ってから教室
を出た方がいいかもしれない。それも書いて田中に見せた。
頷いてくれる。田中を愛してしまいそうだ。愛してるけど。七割程
の好感度を抱いている事は自己確認出来る。

先生が教室を出て少ししてから、僕も席を立った。
田中も立つ。すると日頃盛り上げ役を担当している男子の数人が、
冷やかす様に言って来た。
「お、何?お前らもしかして、みちるさんがいない間に愛の逃避行
でもすんの?」
ありがちな展開だったので、僕はみんなに言ってみた。
「何も聞かないで行かせてくれれば、夜中に一人ずつ順番に、郊外
のろくに明かりもない様な所へ連れ去り、懐中電灯の明かりの下で
『恐怖○聞』を無理矢理ひたすらに読ませずに済む。
頼むよ、ここは黙って僕らを送り出してくれないかな」
しばしの沈黙。そして、みんなが言った。
『よし、後は任せて行って来い!』
物分りのいいクラスメートで助かる。僕らは教室を後にした。

46 名前: no name :2010/01/04(月) 09:44:23 ID:u7ZrHs1p

「そういえばあの子、何組なんだろう?」
田中が訊ねて来た。僕も知らない。職員室で聞けば分かるだろうか?
一つずつ教室を眺めて行くのも手だけど、暇つぶしに職員室の誰かに
僕らが教室を出ている事をメールされたりするのは、結果的に余計な
手間を作る事になる。
さて、どうしたものやら―

47 名前: no name :2010/01/04(月) 11:10:31 ID:u7ZrHs1p

幕間

その頃、例の少年は、体育倉庫にいた。
拘束されて得体の知れない錠剤を呑まされ、しかもそれはラムネだと
分かり、どこまで並んでいるのか想像もつかない謎の女性達―その表
情はことごとくが人生に見捨てられた様な荒んだ目、虚ろな目であっ
た―に、ビンタされ続けた。
「あんたのせいで父さんが……!」
「うちのミーちゃん返してよ!」
「このパチンカス!」
「階上でせっかく並べたドミノ倒しやがって!」
「あんたのせいであの子はサッカーが出来ない身体になっちまったん
だよ!毎晩寝床で泣くんだ!!
『サッカーしたいのに動けない。辛いよ』
って泣くんだ!
酒に酔ったあんたがぶったせいですっ転んでテレビゲームがまだ出来
ないんだ!立派にサッカーが出来ない身体さ、ちきしょう!!」
「あんたの作る飯、まずいんだよ!」
などなど、対応に困る諸事情と共に繰り出されるビンタの嵐。

周囲を取り巻く覆面の男達が
『校内で何が起こっている?』
と訊ねても、少年は屈せずに黙したまま、ビンタを受け続けた。

こんなの、うちの親父の仕打ちで慣れっこだ。奴の方がもっと乱暴で
陰険だ。
母と妹、そして、調べればきちんと反応してくれる、工作。
それだけが、僕の理解者だ。
だから、怖くなんてない。

それに……それに、よく分からないけど、この人達が、僕が男だとい
う理由で僕を叩いて、少しでも気分が晴れるなら―

僕は、それでいい。

少年は気を失い、その度に水をかけられ、意識を取り戻させられた。
何故こんなに大人数が敷地内にいて、誰も来ないのか。他のみんなは
大丈夫なのか。
自分は今日こうなってしまった事で、妹や母が、代わりに親父から、
殴られたりはしないだろうか。

それだけが、彼にとっては気がかりだった。

48 名前: no name :2010/01/06(水) 07:43:19 ID:X5JPVVFp

「ねえ、何、あの列」
田中が窓の外に何かを見つけた様だ。僕も近寄って見ると、眼下には
テニス部のテニスコートを突っ切ってやたら長い行列が出来ており、
それはその窓から向かって左手にあるはずの体育館から伸びていた。
「校内で催しがあるなら、普通は事前連絡があるよね?」
そうだ。不審者が平気で紛れ込めない様に、誰かが見張っていなけれ
ばならないし、ぱっと見ただけでも相当の人数だから、チェック要員
も相当に割かねばならないはず。
なのに僕らは今ここから見下ろすまであの行列について何も知らされ
ていない。
佐々木の失踪、例の少年の行方。それらとのタイミング的に、あの列
はとても怪しい。

すぐ右には非常階段に出られる引き戸があったが、これ、下手に開け
ると、職員室の警備システムに反応しちゃうんだよな。
「なるべく静かに、校舎の外へ出よう。上履きも脱ぐんだ」
「う、うん……」
田中はその日黒のタイツを履いていたので、当然上履きを脱げばその
下はストッキングな訳で、僕はやたらどきどきして来るのを必死に無
視しつつ、彼女に後方チェックを頼んで、一緒に廊下を歩き出した。

49 名前: no name :2010/03/16(火) 23:31:38 ID:mvBsoUNu

相川は郊外の古びた工場にいた。田中と一緒に校舎を後にして真っ先にココに向かった。
途中、田中からいろいろ聞かれたが相川は全部無視した。工場の入り口に立つと下から
センサーらしきモノが現れ相川に反応する。
「相川様 認証しました。」
機械口調でそう告げられると、扉が開いた。外見は古臭い工場であるが、中は白を基調と
した清潔感溢れる空間だった。数人のスタッフと数個のデスク、そして何台かのパソコン。
工場を貸しきるには小さすぎるスペースだった。おそらく、ここのハイテク機械を支える
サーバーとその冷却装置を置くスペースが大きいに違いない。
その綺麗な部屋を通り過ぎ、部屋の奥の扉へ向かう相川。
「代表は今いませんよ。」スタッフの一人が近づいてきた。
「あれ?もうあのシステムが採用されたんじゃないんですか?」
相川がそう言うなり、突然扉が開いた。相川とスタッフは顔を見合わせ、ヤレヤレと顔を
横に振った。
「今はいらっしゃるみたいですね。代表・・・」
そう言うとそのスタッフは自分のデスクへと戻っていった。どう聞いても訳の分からない
やり取りである。先程から無視をされっ放しだったが、田中は相川に質問する。
「ねぇ?代表って誰なの?」
「ん?ん〜・・・俺が唯一信用、いや尊敬している人・・・かな?」
何故だろう。相川がにこやかな顔で答えてくれたのに、胸がチクリと痛む田中。
扉の向こう側は長い廊下が続いていた。さっきの白基調な部屋と違いこの廊下は実にカラ
フルである。とはいっても赤、緑、黒、白の4色で塗り分けられているだけだが、しかし
先ほどよりはカラフルであると言えよう。
ゆういつ?ゆいいつ?・・・私はどれ程信頼されているんだろうか?さっきの相川の発言
が田中の心の中で何度も再生されていた。
一番奥の扉の前で相川が立ち止まる。後ろを見ると先程通った扉が遥か後方に見える。こ
の工場?の最深部といったところだろうか。いくつもの扉の前を通ったが相川の発言で頭
が一杯で気付かなかったが扉にも着色されていたようで、目の前の扉の色は赤だった。
「そうか・・・もう春か・・・」
突然、口を開いた相川にビックリする田中。
「どうしたの?急に?」
「いや、何でもない・・・」そう言うと相川はドアノブに手をかけた。

50 名前: no name :2010/03/17(水) 00:07:15 ID:EqtBUg2k

部屋に入ると部屋の中央に女性が椅子に座っていた。
20代だろうか、黒髪のセミロング、白衣を纏ってい
る。青い照明が点いているため薄気味悪い印象を田中
は受けた。しかし美人である。女性から見ても見惚れ
る程だ、男性ならきっとイチコロだろう。そう思いな
がら田中は横目で相川を見る。
「お久しぶりね相川くん・・・隣にいるのは彼女?」
突然、その女性は相川に話しかけてきた。彼女という
言葉にビクッと反応してしまう田中。
「人並みな挨拶が出来るようになったんですね。・・
・それはさておき今回はご相談がありまして・・・・
・・」
質問そっちのけで相川が脅迫状や佐々木の失踪等を簡
単に説明し出した。紹介もしてくれないのか・・・と
田中は横でムスッと膨れる。
「・・・いかがでしょう?」
説明し終えたと思ったら間髪いれずに質問する。
さすがにさっきの内容を一瞬で把握するのは不可能で
はないだろうか?田中は心の中で質問した。
「そうね・・・対して興味は無いけど、佐々木の失踪
はおもしろいかも・・・」
「んな?!おもしろいって・・・人が一人消えてるん
ですよ?私はともかく相川君だって狙われてるかもし
れないのに酷くないですか?」
おもしろいという言葉にカチンときてつい言葉が出て
しまう。しかし、相川は相変わらず微笑んだ顔で質問
する。
「おもしろいって何がです?」
「・・・佐々木って本人がただ消えるならありえない
話じゃないけど、職員室の机ごと消えてしまったんで
しょう?しかも昼休み多くの人がいるであろう職員室
で・・・」
そう言うと意味ありげに含み笑いをする代表。

51 名前: no name :2010/03/19(金) 23:47:49 ID:GM3MenXB

確かに・・・急に人やモノが消えてしまうなんて事がありえるのか?
そもそも佐々木先生本人だけならともかく、机まで消す事に意味なん
て・・・
田中が相川を見ると相川は目を閉じて考え事をしている様子だった。
再び視線を女に戻すと代表と呼ばれる女性もこちらを見ていた。こうして見る
と代表の瞳は格別大きく見えた。その吸い込まれてしまいそうな瞳を見つめた
まま田中は微動だにできない。
「・・・しかし、またあなたにこうして会える事が出来てうれしかったわ。」
その言葉に反応するように相川が目を開けた。
「僕の方こそ・・・ありがとうございます。やはり、ココに来て好かった。」
相川が微笑ましく答える。
気のせいだろうか先程より澄んだ瞳をしている・・・気がする。私のフィルタ
ー補正だろうか・・・と田中が考えていると・・・
「それは良かった・・・では最後にもう一つ・・・ルールというものはその大
概がルールを創った者の都合の良いように作られているものです。そのルール
にあなたまで従う必要はありません。」
凛とした態度で放たれた言葉にポカーンとする田中。その言葉の返事になるの
だろうか?相川が答える。
「申し訳ありません。自分が誘拐されると聞いて、少し興奮していたようです。
お時間を取らしてしまい申し訳ありませんでした。」
相川が深くお辞儀をした。
「フフ、気になさらないで。貴方との触れ合いは刺激的な事ばかりで非常に楽
しいものですから。」
そう代表が答えると、相川と代表はしばらく見つめ合った。
言葉だけでは伝えきれないモノがこの二人にはあるのだろうか。無言の時間に
耐え切れず田中が相川に聞く。
「・・・そろそろ、学校に戻った方が良いんじゃないの?」
「ん?そうだな・・・5限が終わるまでに学校に戻らなくちゃね。」
腕時計を見ながら相川が答える。
「え?!それどういう意m・・・」田中が相川に聞こうとすると
「私もそろそろ時間です。それでは、また何処かで。」
そう言うと、代表はす〜っと消えてしまった?!

52 名前: no name :2010/03/20(土) 00:22:27 ID:ZGbfW2r0

その状況に呆気に取られる田中。しかし、相川は隣でお辞儀
をしていた。この人はどんだけ代表に対して低姿勢なのよ?
と思いつつ相川に聞く。
「ねぇ?代表って言う人、急に消えたけどどういうこと?」
「ああ・・・あれはね立体映像なんだ。代表は訳あって人前
に出ることができ無いんだ。だから、代表に会いたい場合は
こういった立体映像や映像やらでどこかにいる代表と話す事
しかできないんだ。立体映像って気付かなかった?」
相川の問いに田中はこの工場に訪れた時のスタッフと相川と
のやり取りを思い出していた。
いないのにいるってこういう意味だったのね。でも、あれが
立体映像だったなんて・・・全く気付かなかった。
なにしろ影までリアルに投影されていたのだ。触れようとし
なければわかるはずが無い。
とりあえず、代表との会話を終えココに来た目的は果たした
ようだ。相川は来た道を戻り始めた。田中も相川の後ろを歩
く。
それにしてもこの工場の施設といい、立体映像といい代表と
は一体何者なのか?そして何より代表と相川との関係が田中
は気になっていた。だが、それを相川に質問できずヤキモキ
している。質問すると知りたく無い事まで知ってしまう。そ
んないや予感がした。
そんな田中の心情を察したのか相川が口を開いた。
「さっきも言ったけど代表は俺が尊敬している人だよ。それ
以上でも以下でもない。」
「そうなんだ・・・ねぇ、代表って何者なの?」
思い切って田中が質問する。
「代表は・・・」相川はそう言うと少し間を取って続けた。
「代表は、名賀斗 式。 天才だよ。」
相川はそう言うと、先程話していたスタッフの元へ行き、お
礼を述べた後出口へ向かった。田中も黙って相川の後につい
て行き、二人は工場を後にした。

53 名前: no name :2010/03/22(月) 23:39:30 ID:cuD3FwQp

一方、学校では佐々木の失踪に続き、相川と田中までもが失踪して
しまった事で、5限の授業にも関わらず2年生の教員は職員室で緊
急会議が行われていた。
教員達もパニック状態で、やれ警察を呼べば良いだの、皆で探せば
良いだの意見が飛び交い、話を収拾しようとする者がいなかった。
その中で、ただ一人頬杖をつきながら、ため息をつく教員がいた。
「後藤先生。あなたのクラスの担任と生徒がいなくなったんですよ
?副担としてもっと、真剣に考えて下さい!!」
みちる先生が殺気の籠もった目で睨みつけてきた。
「すいません。少し考え事を・・・佐々木先生の失踪は心配ですが、
相川達は二人でどこか時間を潰しているだけでしょう。たぶん大丈
夫ですよあいつ等なら。」
後藤が弁解をしようとする。
「たぶんじゃ困るんですよ!佐々木先生はともかく生徒の身を第一
に考えて下さい。」
みちる先生は攻撃の手を緩めない。
「では、警察に連絡する方がよろしいのでは?我々がここで会議を
している時間が勿体無いと思います。我々は捜索のプロではありま
せんし、警察に任せるのが一番かと。」
最もらしい意見を言ったものの、後藤はさほど心配をしていなかっ
た。佐々木先生の失踪は謎だが、少なくとも今回の脅迫事件は警察
沙汰になるほど危険視をしていなかったからである。
「後藤先生。君の心胸を聞きたいのだが・・・」
学年主任の橋本が聞いてきた。もうすぐ50になるおっさんだが、
なかなか鋭い考え方を持つ先生である。さっきまで、ダンマリして
いるかと思っていたら急に口を開いた。
「心胸とは?」後藤はあえてとぼけて見せた。
説明するのが面倒くさいからである。
「この件に関しての君の考えだ。」

54 名前: no name :2010/03/23(火) 00:07:35 ID:Mwl6GnCw

威圧的に言ってくる橋本に対して、後藤はまたため息をつく。
「私の見解は今回の件はただの悪戯かと。ホント悪いという意味でのね・・・」
冗談ぽく言ったつもりだったが、誰もクスリとも笑わない。
「フゥー・・・では、佐々木先生に届いた脅迫メールをもう一度見て頂けません
か?」
そう言って、後藤は教員達に脅迫メールを見るように促す。>>31
「この文面・・・見ていておかしいと思いませんか?」
メールを眺めたものの教員達は黙ったままである。さっきまで激論を交わしてい
たのが嘘のようだ。一掃このままで良いのでは?とさえ思う。
「御免なさい。私にはサッパリ・・・やっぱり警察に連絡するのは不味いんじゃ
ない?」
みちる先生がおどおどしながら答える。その返事にニッコリしながら後藤が答え
る。
「・・・そうですね。よっぽど、警察に連絡されるのは困るんだと思います。犯
人にとってね。・・・私がおかしいと思ったのは、この文面に目的が書かれてい
ないからです。」
「目的?目的なら書かれているじゃない。生徒を誘拐するって・・・」
「それは目的ではなく手段ですよ。そうではなく誘拐した後の、です。」
「後の?」
「そうです。普通こういうのは、例えば身代金の要求とかあるじゃないですか。
だけど、この文面にはそれが無い。理由無き犯行というのですか?失踪した今の
状況を仮に誘拐されてしまったと仮定しましょう。しかし、その後の犯人からの
連絡も来ません。つまり、この事件には目的が無いんです。だから、この脅迫は
狂言なのでは?と考えました。そもそも、これほど生徒や先生がいる中で誘拐す
ること自体普通ありえません。ましてやその予告状を送ってくるんて愚の骨頂で
す。誘拐するなら、誰もいない所を狙うでしょう?」
そこまで言うと、後藤は一端話を切る。
「しかし、現に3人もいなくなっているが?」
橋本が聞いてくる。
「・・・そうですね、おそらく相川達はこの状況から逃げるつもりで田中と一緒
に逃げ出したのではないでしょうか。5限終了まで逃げ切れれば俺達の勝ちだと
思っているのかもしれませんね。彼らしいと言えば彼らしいですが、それにして
も軽率な行動だったと思います。・・・佐々木先生の失踪に関してですが・・・
私は今回の事件は佐々木先生の自作自演ではないかと考えています。」
後藤の意見に教員一同は驚愕の顔を見せた。

55 名前: no name :2010/03/23(火) 18:37:31 ID:UK+d2hkB

うほ・・・

56 名前: no name :2010/03/23(火) 23:34:40 ID:Mwl6GnCw

工場から学校への帰り道、相川と田中は今回の事件について話し合っていた。
「え?犯人は佐々木先生?」田中は相川の説明に心底驚いた。
「うん。おそらくね・・・目的こそわからないけど、事件の発端といい、僕
らが学校から抜け出そうとしたきっかけも、全部佐々木先生が絡んでる。代
表がさっき言っていた、ルールというのはこの事件においての流れやタイミ
ングの事。全て佐々木先生の発言や行動で僕らは動かされていたんだ。悔し
いけど俺は踊らされちゃったんだと思う。」
相川が本当に悔しそうにしかし少し嬉しそうに言う。
「で、でも。佐々木先生の机や時計まで消えているのよ?少し手が込みすぎ
てない?」
田中は飽きもなく質問する。
「そう、その机もヒントの内の一つなんだよね。」
「ヒントの内?」
「じゃあ、聞くけどさ。佐々木先生の失踪ってどこからわかると思う?」
「?? 質問の意味がよくわからないんだけど・・・」
「だってさ、普通佐々木先生がただ単に消えただけでは失踪って事にならな
いだろう?職員室にいなくたって、トイレにいるかもしれない。他の教室に
いるかもしれない。佐々木先生本人がいなくたって失踪って事にはならない
んだ。だけど、机という静止物が消える事で佐々木先生自身もいなくなって
しまった、とより強調できる事ができたんだ。机が消える前に時計が消えた
のはその布石。消滅=失踪により繋がりやすくしようとしたのさ。脅迫メー
ルがわざわざ届いたのもその布石みたいなものさ。何度も言うけど消える=
失踪を強調したかったんだと思う。」
「・・・よく考えたら佐々木先生の机が無くなっただけなのに、なんで先生
自身も失踪って事になったんだろ?って今になって思う。 でも、机はどう
やって消したの?簡単に運べないよね?」
田中はもう頭で考えようとしていないようだ。質問のオンパレードである。
「これは、実際見てみないとわからないけど・・・たぶん前々から準備して
いたんだと思う。」
話し込んでいたら、学校へ着いていた。

相川は時計を見る。5限終了まであと15分を切っていた。

57 名前: no name :2010/03/24(水) 00:24:34 ID:JLLpOQk4

佐々木は屋上にいた。誰もいない、当然だ。今は授業中である。本来なら自分も教室にいる身だ。
 さて、どうしたものか。・・・まさかアイツがあんな行動派だったなんて以外だったよ。
屋上の手摺りに腕をのせ、煙草を吸いながら物思いに更ける。すると、後ろで扉が開く音がした。そのまま誰
かが自分の背後に近づいてきた。
「先生。何してんすか?サボリ?」
その声の主にビックリして佐々木は振り返る。
「・・・明神か。驚かせやがって、お前こそ何してんだ?今授業中だぞ。」
「どっかの誰かさんが失踪したって事でそれどころじゃ無いっすよ。2年は全クラス自習ですって。」
明神は屋上の手摺りの部分に寄り掛かりながら言った。
「ふん、嫌味か・・・まぁ、でもこれで・・・」
と佐々木が言いかけた時
「やっぱり相川のためなんすか?今回のって?」
明神が覗き込むように聞いてきた。
「ありゃりゃ。ばれてた?」佐々木が答える。
「いや、ばれてた?って・・・真意は全然わからないですけど、なんとなくですかね。」
佐々木は急に黙り、短くなった煙草を携帯灰皿ケースに押し込む。そして、もう一本取り出すと火を点け美味
しそうに吸った。
「ふゥ〜。・・・明神君、こんな僕の懺悔を聞いてくれるかい?」
煙を吐いた後、佐々木は口を開いた。
「はぁ?・・・ざ、懺悔ですか?俺はそういうのあんまり信じてない性質なんでよくわかりませんが、それで
良いと言うならどうぞ。」
正直ドン引きしたが、相手は先生だ。仕方なく聞いてやろう。そう明神は大人な対処をする事にした。

58 名前: no name :2010/04/11(日) 11:36:51 ID:9bJlm6uR

「あいつの家が転勤族だってのは知ってるよな?」
佐々木は質問形式で話し出した。

59 名前: no name :2010/04/25(日) 19:43:49 ID:r4OlVal0

「ああ?まぁ、転勤族でもなきゃ高2で転校するケースなんてほぼ皆無だろうからな。」
「そういう環境で生きてきたせいか。アイツ、繋がりを作ろうとしないんだ。」
は?!・・・と、突然なんだ?最近の先公はホント意味のわからない事を話し出す。明神
はそう思いつつ答える。
「繋がり?友達って事か?」
「ここで言うならそれだな。」

60 名前: no name :2010/04/29(木) 23:20:01 ID:C811QATH

「・・・気のし過ぎじゃねぇのか?確かに転校して間もないから友達は少ねぇかもしれない

けど、友達になれそう
な奴ぐらいいるだろ。いねぇなら俺がなってやってもいいし。・・・ん?何かえらそうだな

俺。いやそうじゃなく
て。だいたい、転勤族の子供=友達を作りたがらない、は偏見だと思うが?むしろ、友達作

りは得意なイメージが
あるし、それにアイツが望んでやっていることかもしれねぇじゃん。」
「そうだな。だが、アイツはたぶん故意的に人から遠ざかろうとしている。ココ何ヶ月。ア

イツを見ていてそう思
った。たぶん、過去に何か・・・それこそ心を引き裂かれるような経験をしているのが原因

だな。」
佐々木の一方的な決め付けに少しだけ腹が立った明神。

61 名前: no name :2010/06/17(木) 02:24:33 ID:CZF4Jd1U

「それが教師の発言かい・・・」明神は言う
「いや、別に。ただ、一人だけいるんだ。明らかに、一人。」
「誰の事だ?」
「いるじゃんか。田中ってかわいいのが」
「・・・確かに・・・ここ最近、あいつらよく話してるな・・・」

62 名前: no name :2010/06/19(土) 02:53:32 ID:13gyPT+p

「あいつらの間でなにがあったか知ってるか?」
「知らない。佐々木は?」
「知るもんか」
「知らないのかよ・・・・」

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