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名前もしらない星を眺めていると、
月がふっと雲の陰に隠れた。
やんわりと暗闇が辺りを包み込む。
池を泳ぐ鯉の跳ねる音がする。
をかしと思うも音はわずかに一度きり。
めくるめく静寂が再び訪れる。
ぐらりと、まるで闇に溶けていくような感覚。
りりしい青年の鋭い視線にも、また慈愛に満ちた母の眼差しにも似た、
てに表現しがたい存在が支配していく。
夜が白々と明けてゆく。
もうじきやわらかい朝の光が降り注ぐ。
すっかり夜が明けてしまわないうち、
がらりと空気が変わってしまわない今この時こそ
らうたしと思うひと時よ。