(>>211の続き)
『日本人がこれ以上アメリカや中国の人たちと競争を続けるつもりであるなら、
日本人は中国人のように徹底的な拝金主義の価値観を持たなければ無理でしょう。
恐らくは挑戦することさえできないでしょう。
中国人やアメリカ人なら、一部の勝者だけが天井知らずの富を独占することも平気でやれますけど、
日本人はそこまで個人で富を独占しようと思わない。
いい意味でも悪い意味でも、そういう拝金主義的な人は、本来の日本人には少ないですよね。
突出せずに、みんなで共存共栄していくという発想ですから。
JALが破綻したときの社長の態度を見ても、アメリカあたりとは違います。
大企業が破綻するとなれば、アメリカの社長はその寸前に資産を隠したり、それを持ってトンズラするぐらいのことはやるでしょう。
でも、あの西松という社長は、情けないと言えば情けないけど、銀座のど真ん中でビラなんか配って、再建を訴えていた。
あの社長の姿こそ、日本人のメンタリティを表していると思います。
基本的に、拝金主義というものがアメリカ人とかと比べると少ないのではないか。
もちろん、ホリエモンや竹中平蔵さんみたいにアグレッシブな人は、いい意味でも悪い意味でも頑張るんですよ。
人を押し退けてでも頂点を目指す。でも、これは日本人としては例外的な存在でしょう。
チームプレーが日本人の気質ですから。サムライジャパンの野球もそうですけど、とにかくチームのために働く。
送りバントでもスクイズでも、厭わずにやるわけです。
そういう野球で優勝したのを見れば、何が日本人の強みかは明らかです。
身体能力は絶対にアメリカの方が上なんです。際立った個人プレーを見せるスーパースターも大勢いる。
それに日本が勝つには、やはりチームプレーしかない。
それを理解して再構築して、組織力や機動力をいかに活かすかということから考えないといけない。
「全員個人プレーでやっていいぞ」と言ったのでは、絶対にアメリカ人や中国人に負けてしまいます。
一対一の勝負をしたら、絶対に負ける構造になっているんです。』