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4/23(水)晴れのち曇り
一日中おしることぜんざいのことを考えていた。
いったいこの二つを分かつ決定的な違いとはなんなのか。
果たして本当に違いなどあるのだろうか。
おしるこの定義。ぜんざいの定義。
調理法に依存するもの?地域性の違い?素材の違い?
温度。具。豆の種類。調理時間。盛り付け。時代。歴史。
漠然としたイメージの中から答えを見出すべく、
必死にあらゆる要素を比較し、検討し、思考をめぐらせ、そのたびに曖昧になる二つの境界線。
帰宅途中すら、頭を離れない小豆色。
そんな僕を見かねてか、突然視界に飛び込む「甘味処」の文字。
吸い寄せられるようにそののれんをくぐり店内に。
そして驚愕。
平然と、さも当たり前であるかのように堂々と、
お品書きの先頭を占領する
おしるこ --- 450円
ぜんざい --- 450円
の二行。
「おしることぜんざいを一つずつで。」
「お汁粉とぜんざいですね。少々お待ちください。」
若干季節はずれではあるものの、愛想よく注文を受ける店員。
年頃はおおよそ同じ、清楚な雰囲気、お下げがとてもよく似合っていた。
そう、彼女こそ、今日一日悩み続けた疑問のすべての【こたえ】を僕に与えてくれる存在なのだ。
もはや胸の高鳴りを抑えることはかなわなかった。
待つこと五分。ついに彼女がその両手に答えをたずさえ、戻ってきた。
まず最初に僕の前に姿を現したのが、ぜんざいであった。
まさにぜんざい。
それは今日一日追い求め続けたものの姿に違いなかった。
茶色とも赤とも違う独特の色。
その中に見えるまっしろなしらたま。
丸々とその存在感を誇示するつぶあん。
何より立ち上る湯気、漂う甘い香りがたまらなかった。
それはまさにぜんざいだった。
ここまでは。
ここまではよかったんだ。
・・・続く