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俺は誠
ふつうの高校生だ。今は幼なじみの彼女が一人、絶対にこいつだけは、離さない。
その日曜日、久しぶりのお出かけ。久しぶりに握った彼女の手は、少し冷たかった。
気温は2度。
昼間晴れていたから、雪玉を作るような積雪はなかったが、地面は全てを滑らせる氷道になっていた。
あまり浮かれながら歩くと転んでしまいそうだ。
僕と彼女はお気に入りの場所へと向かっていった。
駅東側の歩道橋を渡り、さらに奥の方へ進むと、ビックカメラとJRタワーに挟まれた通路がある。
日中でも暗く、奥は行き止まりがあるだけで、誰も入ってこようとはしない。屋上作業員が使う立ち入り禁止の階段があるだけだ。
そこを登ると、とても見晴らしが良い。この街を全て掌握しているようだ。
彼女が僕の耳を引っ張った。
「いつまで見とれてるの??」
僕の彼女はバスケ部に入っていて、中学の頃は2度、全国まで出場しているらしい。
もちろんそんな彼女にスポーツで敵うわけが無く、いつもバカにされてしまう。お互いに苦手なスポーツと言えば泳ぐことぐらいだ、見事に二人ともカナヅチなのである。
「ごめんごめん。こういう景色って見てて飽きなくってさ。
なんか、やっぱりこの街って ピッタリ だと思わない?ココの駅前や大通りに行けば都会があるし、20分も歩けば自分たちの家があって自然がある。
こんなに恵まれた土地ってそうそう無いと思うし。」